【特養】要介護1・2が特例入所するには?入所要件や手続きの流れを紹介

記事公開日 2023/04/19

記事公開日 2023/04/19

【特養】要介護1・2が特例入所するには?

特養に入居できるのは原則要介護3以上の方です。しかし、やむを得ない事情があれば、要介護1・2の方でも特例入所が認められています。
本記事では、特例入所の入所要件、入居が認められた事例、手続きの流れなどについて解説します。

特養とは

特養とは

特養とは特別養護老人ホームの略称で、自宅での生活が困難で常時介護を必要とする方が入居できる公的施設です。主に要介護3以上の高齢者が入居の対象となります。

民間が運営する有料老人ホームよりも費用が安く、低所得者でも利用しやすいのが特徴です。また、施設内では下記のようなサービスを受けられます。

・介護サービス
・生活支援
・食事
・健康管理・医療ケア
・リハビリ
・レクリエーション
・看取り

入浴や排泄などの介護サービス、食事の提供はもちろん、季節のイベントやレクリエーションの実施によりメリハリのある生活を送れます。
費用が安く24時間の介護サービスがあることから入居希望者も多く、厚生労働省の調査によると2022年時点における特養の入居待ちの人数は27.5万人におよびます。

特別養護老人ホームについて詳しくはこちら

要介護1・2でも入居できる特養の「特例入所」とは

特養の入居条件は原則要介護3以上です。
以前は要介護1・2の方も受け入れていましたが、2015年4月の介護保険法改正により、特養に入居できるのは原則要介護3以上となりました。

しかし、日常生活が困難であることが認められると、要介護1・2であっても入居が可能です。これを「特例入所」と呼びます。

特例入所の対象となる要件

要介護1・2でも特養に入居できる特例入所の要件は以下の通りです。

・認知症により、日常生活に支障をきたす症状や行動、意思疎通の困難さが頻繁にある
・知的障害や精神障害により、日常生活に支障をきたす症状や行動、意思疎通の困難さが頻繁にある
・家族等による深刻な虐待などにより、心身の安全・安心を確保できない
・単身世帯、または同居家族が高齢・病弱等により支援が困難で、地域での介護サービスや生活支援も不十分である

ここでいう「日常生活に支障をきたす認知症の症状や行動」とは、食事や排泄がうまくできない、火の不始末、暴力、自傷など、目を離せないような状態のことを指します。
軽度の認知症では特例入所は認められにくいでしょう。

上記の要件を踏まえ、各市町村や施設が入居の可否を判断します。

特養の特例入所が認められる具体的なポイント

特養の特例入所が認められる具体的なポイント

特養の入居要件は紹介した通りですが、なかでも特例入所を認められるための重要なポイントは下記の通りです。

・一人暮らしで支援も期待できない
・同居家族による介護ができない
・特養以外の施設に入居ができない

ここでは、特養の特例入所が認められる具体的なポイントを解説します。

一人暮らしで支援も期待できない

要介護1・2は部分的に介護を必要とする状態で、1人きりでの生活は困難です。そのため、一人暮らしで、かつ家族による支援、介護サービスなど地域の支援が期待できない要介護1・2の方は、優先度が高いと判断されやすい傾向です。

また、認知症や精神障害により日常生活に支障をきたす症状や行動があると、特例入所を認められる可能性がより高くなります。

同居家族による介護ができない

たとえ同居している家族がいても、家族による介護が難しいケースもあります。
病気・ケガなどにより家族が介護できない状態だったり、家族による虐待があったりすると、特例入所を認められやすいでしょう。

特養以外の施設に入居ができない

生活保護を受給しているなど経済的な余裕がなく、有料老人ホームやグループホームなど特養以外への入居が難しいときも特例入所が認められる可能性があります。

ただし、介護の必要性が高く、在宅での生活が困難な人に限ります。訪問介護やショートステイで間に合うなど、自宅での生活が続けられそうであれば特養への入居は認められないかもしれません。

特例入所が認められた事例・認められなかった事例

特養の特例入所は、具体的にどういう状態にある人なら認められるのでしょうか。
ここでは、新潟県長岡市が公開している「特別養護老人ホームにおける特例入居者の取り扱いについて」の資料から、実際にあった事例を紹介します。

特例入所が認められた事例

まずは特例入所が認められた2件の事例を紹介します。

要介護2 一人暮らし

クーラーもない居住環境が原因で体調を崩すことが増え、一人暮らしは難しいと判断された事例です。

・クーラーなし
・居住は2階・トイレは1階の間取り
・歩行器を使用
・支援をしてくれる家族・知人がいない

訪問介護やショートステイを利用していますが、自宅では歩行器を使用して1階と2階を行き来しているため危険です。気温が下がる冬には一人暮らしに限界がくると判断され、入居が認められました。

要介護2 家族と同居

同居家族による介護が難しいと判断された事例です。

・本人が認知症を患っている
・主介護者の息子が末期癌になった
・息子の妻には精神疾患と視力障害がある
・孫は脳梗塞の後遺症などにより要介護状態である

本人には認知症の症状があり、デイサービスなどを利用していました。家族と同居していましたが、主介護者である息子に末期癌が発覚。他の家族にも病気や障害があり在宅での介護が難しいと判断され、特例入所が認められました。

特例入所が認められなかった事例

次は特例入所が認められなかった事例です。

要介護2 サ高住に入居中

サ高住に入居中の高齢者に認知症の症状がみられるようになり、特養への入居を希望した事例です。

・認知症の症状がみられる
・家族はいるが、支援は見込めない

家族の希望もあり特養に申し込みをしましたが、認知症の症状は軽度でサ高住で落ち着いた生活ができる状態でした。そのため、特養に入居する必要性が認められませんでした。

特例入所の手続きの流れ

特例入所の手続きの流れ

要介護1・2で特例入所の要件に該当していたら、申し込みの手続きができます。
特例入所の手続きの流れは下記の通りです。

1.入居の申し込み
2.特例入所の適否を判定
3.入居順位の決定
4.入居

入居を希望する特養が決まったら、申込書や必要書類を提出します。申込書は施設や各市町村の介護保険課などで配布しているので、ホームページなどで確認してみてください。

特養への入居は、検討委員会での審査を経て可否が決定します。特例入所の受け入れ判断には保険者市町村の適切な関与も必要ですが、自治体によって判断基準にばらつきがあることが問題になっていました。2023年4月には厚労省が特養入居に関する指針を一部変更し、特例入所の趣旨の明確化を図っています。

ただ、たとえ審査に通過してもすぐに入居できるとは限りません。必要性に応じて優先順位の高い方から特養に入居できるためです。施設の空きを持ち、順番が回ってくるまで待つ必要があります。

特養に特例入所できなかったら?要介護1・2で検討できる老人ホーム

要介護1・2で検討できる老人ホーム

特養に特例入所できなかったら、ご本人の状態や経済状況に合わせて次の施設への入居を検討してみてください。

・サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
・介護付き有料老人ホーム
・グループホーム
・介護型ケアハウス

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サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)

サ高住とはサービス付き高齢者向け住宅のことです。安否確認や生活相談などのサービスが付いており、高齢者が安心して暮らしやすい住宅です。

サ高住では基本的に介護サービスを提供していないため自立に近い入居者も多く、要介護1・2の方でも入居可能です。多くのサ高住は賃貸借契約のため、介護度が上がって特養への再入居が決まっても住み替えもしやすいメリットがあります。

サ高住の入居条件は以下の通りです。

・60歳以上の方
・要支援または要介護の認定を受けた60歳未満の方

サ高住では初期費用として家賃数カ月分の敷金が必要です。入居時に必要な費用は比較的安い傾向なので、まとまったお金がない方でも利用しやすいでしょう。

また、サ高住には施設による介護サービスの提供がある「介護型」もあります。介護の必要性が高い方は介護型を検討してもよいでしょう。

サ高住について詳しくはこちら

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームとは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた民間の高齢者向け施設です。食事提供や生活支援、24時間体制の介護サービスの他に、レクリエーションなどのサービスが受けられます。

介護付き有料老人ホームの入居条件は施設によって異なりますが、おおむね65歳以上の高齢者が対象で、要介護度も以下のように幅広く受け入れています。

・自立~要介護5(施設により異なる)

自立から要介護5の方まで幅広く対応しているため、介護度が高くなっても入居を継続しやすい施設です。

ただし、介護付き有料老人ホームは民間企業が運営しているため、特養より費用が高く、入居一時金のほか15~30万円程度の月額費用がかかります。

また、住宅型有料老人ホームでも幅広い要介護度の方が入居可能です。施設による介護サービスの提供はないため介護事業者との契約が別途必要になりますが、選択肢のひとつになり得るでしょう。

介護付き有料老人ホームについて詳しくはこちら

住宅型有料老人ホームについて詳しくはこちら

グループホーム

グループホームは、認知症対応型共同生活介護とも呼ばれる高齢者向けの施設です。介護職員のサポートを受けながら他の入居者と共同で生活し、認知症の症状抑制を目指したサービスを提供しています。

グループホームの入居条件は以下の通りです。

・原則65歳以上の方
・要支援2~要介護5の方
・認知症の診断を受けた方
・施設と同じ市町村に住民票がある方

グループホームは認知症の症状がある方に向けた施設なので、認知症の症状があっても特例入所が認められなかった方に適しています。ただし重度の症状があると入居できない可能性もあります。

グループホームについて詳しくはこちら

ケアハウス(介護型)

介護型のケアハウスは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた高齢者向け施設です。自立した生活が困難な高齢者を対象に、施設のスタッフが生活支援や介護サービスを提供しています。

ケアハウスの入居条件は下記の通りです。

・原則65歳以上の方
・要介護1~5の方

ケアハウスの費用は収入によって決定するため低所得の方でも入居しやすい傾向ですが、数十万円程度の入居一時金がかかる施設もあります。
施設数が少なく入居の難易度は高いですが、希望があれば担当のケアマネジャーに相談してみてください。

特養の特例入所なら要介護1・2でも入居できる

特養は原則要介護3以上の方を対象とした高齢者向け施設です。しかし、要介護1・2の方でも要件を満たすと特例入所が認められます。要件に当てはまるようであれば、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。

もし特例入所が認められず特養に入居できない場合は、サ高住や有料老人ホームなど、他の施設への入居も検討してみてください。

オアシス介護では、特養やサ高住、有料老人ホームなど全国の高齢者向け施設を掲載しています。地域や条件など希望にあった施設を効率よく探せますので、施設探しに困ったときにご活用ください。

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老人ホーム相談室LP

著者:オアシス介護

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