都市型軽費老人ホームとは?他の軽費老人ホームとの違いや費用を解説

都市型軽費老人ホームとは

(*2022年12月19日更新)
都市型軽費老人ホームは、低所得の高齢者が無料または低額料金で入居できる施設です。都市部で整備が進むように居室の床面積や職員の配置基準などが緩和されています。
この記事では、都市型軽費老人ホームの入居対象者や費用などを紹介します。

そもそも軽費老人ホームとは

軽費老人ホームとは

軽費老人ホームとは、家族からの支援が難しいなど自立した生活に不安のある高齢者が入居できる施設です。低所得の高齢者が、無料または低額な料金で入居できます。

軽費老人ホームの種類は下記の5つに分けられます。

・A型
・B型
・C型(ケアハウス 一般型)
・C型(ケアハウス 介護型)
・都市型

それぞれの施設によって対象者やサービス内容が異なります。

それぞれの違いについて詳しくはこちらをご覧ください。

都市型軽費老人ホームとは

都市型軽費老人ホームは地価が高い都市部でも整備が進むよう、従来の軽費老人ホームと比べて居室面積や職員配置の基準が緩和されているのが特徴です。

軽費老人ホーム自体は1963年頃から存在しています。経済的な事情などにより自宅での生活が困難な高齢者を入居対象とし、比較的安価に入居できる施設です。
しかし、東京都などの都市部は地価が高いうえに高齢者人口が多く、施設の数が足りていない状況でした。

そんな都市部でも整備が進むよう、従来の軽費老人ホームよりも基準を緩和させ、料金も低額に抑えた施設が都市型軽費老人ホームです。

このような背景もあり、都市型軽費老人ホームが設置されるのは原則として既成市街地等のみとされています。
2022年現在、全国の既成市街地等は下記の通りです。

東京都
23区・武蔵野市の全域、三鷹市の特定区域

 

神奈川県

横浜市・川崎市の特定区域

埼玉県
川口市の特定区域

愛知県
名古屋市の特定区域

大阪府
大阪市の全域、守口市・東大阪市・堺市の特定区域

京都府
京都市の特定区域

兵庫県
神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市の特定区域

出典:国税庁「No.3429 既成市街地等の範囲

今後も高齢者数は増加していくため、都市型軽費老人ホームの人気もさらに高まっていくでしょう。

都市型軽費老人ホームの入居対象者

都市型軽費老人ホームの入居対象者

比較的安価に入れる都市型軽費老人ホームですが、誰でも入居できるわけではありません。
都市型軽費老人ホームの入居対象者は下記の通りです。

・60歳以上の方であって、低所得で都市型軽費老人ホームが整備される区市町村に住民票を有する方
・身元保証人が得られる方。ただし、特別の事情がある場合は、この限りでない。
・身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことについて不安がある方
・感染症がなく、かつ、医療について自己管理できる方
・問題行動を伴わない方で共同生活が可能な方
・家族による援助を受けることが困難である方
・その他、当該区市町村長が特に入所が必要と認める方

都市型軽費老人ホームは住民票がある市区の施設にしか入居できないのが特徴です。
上記の条件の他に細かい入居要件が追加される自治体もあります。例えば、板橋区ではほぼ上記と同じ条件に2つの項目が追加されています。

・住居の状況など、現在の環境では在宅生活の継続が困難な人
・財産管理や日常の金銭管理ができる人

出典:板橋区「都市型軽費老人ホーム

各市区の入居条件を満たし、必要性が高い方から入居が決定します。
板橋区のように地域で入居要件が異なることもあるため、一度居住している自治体のホームページなどを確認してみてください。

都市型軽費老人ホームで受けられるサービス

都市型軽費老人ホームでは主に下記のサービスを受けられます。

・食事の提供
・生活相談
・見守り
・介護サービス等の利用の援助

入居者は食事の提供や生活相談などのサービスが受けられます。
夜間でも1人以上の夜勤職員が配置され、24時間見守りが行なわれているのも特徴です。

都市型軽費老人ホームでは介護サービスの提供はしていないため、介護が必要となった際は外部の介護事業者と契約が必要です。

都市型軽費老人ホームの設備基準

都市型軽費老人ホームの設備基準

都市型軽費老人ホームには主に下記の設備が備え付けられています。

・居室
・食堂
・浴室
・洗面所
・トイレ
・調理室
・面談室
・洗濯室または洗濯場

居室は原則定員1名の個室ですが、入居者へサービスを提供する上で必要な場合には2名までの入居も可能です。

また、居室の入居者1人当たりの床面積は7.43㎡、およそ4.5畳の広さです。シングルベッドをひとつ置くだけで部屋の半分近くが埋まってしまうため、狭く感じる方もいるかもしれません。

都市型軽費老人ホームのスタッフ

都市型軽費老人ホームの入居定員は20名以下と決められており、その人数に対して下記の人員の配置が制定されています。

・施設長 1人
・生活相談員 1人以上
・介護職員 常勤換算方法で1人以上
・栄養士 1人以上
・事務員 1人以上
・調理員その他の職員 適当数

栄養士や事務員などは、サービスに支障がない場合は配置しないこともあります。
また、夜間の時間帯でも入居者が安心して生活を送れるよう、夜勤スタッフを配置、もしくはスタッフが緊急時に迅速に対応できるようにされています。

都市型軽費老人ホームにかかる費用

都市型軽費老人ホームにかかる費用

「老人ホームは入居一時金や月額費用が高い」とイメージする方も少なくないでしょう。
しかし都市型軽費老人ホームは低所得の高齢者を対象としているため、一般的な有料老人ホームと比べると比較的少ない費用で入居できます。

ここでは、都市型軽費老人ホームの入居に必要な入居一時金・月額費用について解説します。

入居一時金

都市型軽費老人ホームでは、入居一時金が必要ありません。まとまったお金がない方でも初期費用がかからず入居できます。

入居一時金とは老人ホームに入居する際に施設側に払う費用のことで、家賃の前払いに相当します。施設によっては数千万円以上もの入居一時金がかかるところもあるほどです。

月額費用

都市型軽費老人ホームへの入居後には、施設利用の基本料金として月額費用が設定されています。
都市型軽費老人ホームの月額費用はおよそ9万~15万円です。

収入認定による減免措置があり、入居者の収入に応じて月額費用が設定されます。

他の軽費老人ホームとの違い

軽費老人ホームには「都市型」の他に「A型」「B型」「C型(ケアハウス 一般型)」「C型(ケアハウス 介護型)」があります。
それぞれの軽費老人ホームとの違いを下記にまとめました。

■対象者
都市型
・60歳以上
・家族からの支援が困難で、身体機能の低下等により自立した日常生活に不安がある方
・施設と同じ市区に住民票がある方

A型
・60歳以上
・自立した生活に不安がある方

B型
・60歳以上
・自立した生活に不安がある方
・身体機能の低下等がある方(自炊ができる程度)

C型(ケアハウス 一般型)
・60歳以上
・家族からの支援が困難で、身体機能の低下等により自立した日常生活に不安がある方

C型(ケアハウス 介護型)
・65歳以上
・要支援1・2、要介護1~5

■主なサービス内容
都市型:生活支援、食事提供
A型:生活支援、食事提供
B型:生活支援
C型(ケアハウス 一般型):生活支援、食事提供
C型(ケアハウス 介護型):身体介護、機能訓練、生活支援、食事提供

■居室面積
都市型:7.43㎡
A型:6.6㎡
B型:16.5㎡ 
C型(ケアハウス 一般型):14.85㎡
C型(ケアハウス 介護型):―

■介護・看護職員の配置
都市型:1以上
A型:80:4(看護職員 130:1)
B型:―
C型(ケアハウス 一般型):30:1
C型(ケアハウス 介護型):3:1(看護職員 30:1)

■月額費用
都市型:9万~15万円程度
A型:6.5万~15万円程度
B型:4万円程度
C型(ケアハウス 一般型):9万~15万円程度
C型(ケアハウス 介護型):施設・要介護度によって異なる

参考:公益社団法人全国老人福祉施設協議会「自立した、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス

軽費老人ホームの種類によって、入居対象者やスタッフの配置基準、費用などが異なります。
介護サービスが付いているのはC型(ケアハウス 介護型)のみです。他の軽費老人ホームで介護が必要になった場合は、外部の介護事業者と契約が必要です。

都市型軽費老人ホームは他の軽費老人ホームと比べて、居室面積や人員配置基準が緩和されているのが特徴です。
居室面積はA型よりは広いですがB型やC型と比較すると半分程度の広さ。また、都市型軽費老人ホームの介護職員の配置は常勤換算方法で1人以上となっています。

このように、都市型軽費老人ホームは都市部でも整備が進むよう、他の軽費老人ホームよりもさまざまな面で基準が緩和されているのです。

なお、軽費老人ホームA型・B型は1990年以降の新設や建て替えが認められていないため、施設数は減少する傾向にあります。

都市型以外の軽費老人ホームについて、詳しくはこちらをご覧ください。

都市型軽費老人ホームの入居の流れ

比較的費用が安く、低所得者でも入居しやすい都市型軽費老人ホームですが、どのような流れで入居するのでしょうか。
ここでは、都市型軽費老人ホームに入居する流れについて、詳しく解説します。

・入居条件を満たしているか確認する
・問い合わせ・申し込みをする
・入居できると判断されたら面接に進む
・契約して入居へ

入居条件を満たしているか確認する

まずは入居条件を満たしているか確認しましょう。たとえ入居する意思があったとしても、条件を満たしていなければ入居できません。
都市型軽費老人ホームの詳細な入居条件は自治体によって異なる場合があります。お住まいの市区のホームページで確認したり、ケアマネジャーに聞いてみるとよいでしょう。

問い合わせ・申し込みをする

入居条件を満たしているのであれば、次は入居の問い合わせ・申し込みをしてください。まずはお住いの市区にある地域包括支援センターや福祉課などに相談してみましょう。
施設に直接申し込むよう案内している自治体もあるため、事前にお住いの自治体のホームページを確認することもおすすめです。

もしできるのであれば、申し込みの前に施設の見学をします。事前に施設の設備やスタッフの対応などを見ておくことで、入居後の生活をよりイメージできるでしょう。

入居できると判断されたら面接に進む

申し込みをした施設に空きがあり、入居が適切であると判断されたら面接に進みます。

都市型軽費老人ホームは、市区が入居の必要性を判断して優先順位を決定します。そのため、申し込んだからといってすぐに入居できるとは限りません。

面接では、健康状態や収入、現在の住まいや状況などを聞かれます。疑問に思っていることは面接の場で質問できるので、聞きたい内容はあらかじめメモしておきましょう。

契約して入居へ

面接の結果、入居者と施設が合意できたら契約に移ります。
費用やサービスなどの不安や疑問を解消しないままでいると、契約後にトラブルに発展する可能性もあります。気になることがあれば、契約前に必ず確認しておきましょう。

都市部の高齢者に安心を与える都市型軽費老人ホーム

都市型軽費老人ホームは地価が高い都市部でも整備が進むよう、従来の軽費老人ホームと比べて居室面積や職員配置の基準が緩和された施設です。入居一時金は必要なく比較的少ない費用で入居できます。
ただし都市型軽費老人ホームの施設数はあまり多くありません。入居が難しい場合には、他の軽費老人ホーム・ケアハウスや有料老人ホームなども併せてご検討ください。

オアシス介護では地域や費用、施設種類ごとに老人ホームを検索できます。ぜひお気軽にご利用ください。

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