老人ホームでの生活は?1日の過ごし方

記事公開日 2022/05/28

記事公開日 2022/05/28

老人ホームでの1日、介護を必要とするお年寄りはどのように過ごすのでしょうか。集団生活となる老人ホームでは、「時間の制限があって自分のペースで生活ができないのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。
老人ホームのタイムスケジュールに焦点を当て、入居者の1日の過ごし方について解説します。

老人ホームの1日の流れ

ここでは一例として、有料老人ホームの1日の流れを挙げます。
老人ホームの入居者は心身の状態がさまざまですし、施設によってサービス内容も異なります。各老人ホームによって1日のスケジュールは異なるのでご了承ください。

6:30 起床
スタッフが訪室して「モーニングケア」を行います。モーニングケアとはその名の通り、朝の身支度に関する介助のこと。排泄や着替えの介助が必要な人は、介護スタッフがお手伝いします。
長年の日課により朝のラジオ体操をしたり、身体を拭いたりする人も。起きる時間も人それぞれです。

7:00 朝食
原則、共有スペースであるリビングで朝ごはんを食べます。施設によっては、ご飯、パンなど、入居者の希望に合わせた主食が提供されることも。
職員はあらかじめ本人や家族に嗜好を確認しているので、食後にコーヒーを飲んだりヨーグルトを食べるなど、さまざまな人がいます。

9:00 健康チェック
看護師による健康チェックがあります。血圧・体温・脈拍を測定し、睡眠はしっかりとれたか、体調はどうかなどを確認します。

10:00 入浴
看護師による健康チェックによって許可が下りた人から入浴です。各老人ホームによって、大浴場や個浴、機械浴などさまざまな種類の浴室があります。職員は、利用者の介護度に合わせて入浴介助を行います。
入浴後は水分補給も欠かせません。スポーツ飲料や麦茶などを飲み、脱水症状に注意します。

11:30 嚥下(えんげ)体操
昼食に備え、食事をおいしく食べるために嚥下体操を行います。嚥下体操とは、口の中の筋肉を動かして、飲み込む力をトレーニングする体操です。口や舌、頬はもちろん首や肩も動かして体操をします。嚥下体操を行うことで、食べものが喉に詰まったり、むせたりするリスクを下げることができます。

12:00 昼食
老人ホームの食事は、和食、洋食、中華などバラエティに富んでいます。また、減塩食や糖尿病食などにも対応し、利用者の持病に配慮した食事が提供されることも。
さらに、利用者の嚥下状態に合わせて、食べやすいように細かく刻んだりミキサーでペースト状にしたりする食事もあります。
多くの老人ホームでは、誰もがおいしく食べられるような食事の工夫をしています。

14:00 レクリエーション
リハビリを兼ねたゲームや手芸、散歩などを行う時間です。しかし、レクリエーションは希望者だけで行うため、ゆっくり居室で過ごす人やテレビを見ている人もいます。

15:00 おやつ
和菓子や洋菓子、駄菓子などその日によってメニューは異なりますが、多くの高齢者はおやつを楽しみにしています。
老人ホームによっては職員と一緒におやつを作るイベントも開催されるので、ホットプレートでホットケーキを焼いたり、クッキーを作ったりすることもあります。

16:00 機能訓練・自由時間
機能訓練、いわゆるリハビリをする人もいれば読書をする人もいる、そんな自由な時間です。スタッフや他の入居者とのおしゃべりに花を咲かせる人もいます。

18:00 夕食
リビングで夕食の時間です。このとき、老人ホームの規定や病気の有無にもよりますが晩酌をする人もいます。

19:30 ナイトケア
「ナイトケア」は夜の身支度のことで、パジャマへの着替えや歯磨きなどを中心に行います。介護スタッフは、必要に応じてオムツの介助や入れ歯の洗浄などにも対応します。

21:00 就寝
夜間は、ナースコール対応や排泄介助、体位交換(寝返りを打たせること)などをスタッフが行います。併せて、決められた時間に居室の見回りをし、異変がないかを確認します。

このように、1日のタイムスケジュールはおおむね決まっているものの、老人ホームには利用者が自由に過ごせる時間もあります。
「レクリエーションは苦手だから部屋にいたい」「この時間は見たいテレビがある」などの希望がある場合は、できる限り入居者の生活スタイルを壊さない工夫をする老人ホームもたくさんあります。

老人ホームではイベントやクラブ活動も楽しめる

上記のようなスケジュール以外にも、嘱託医の往診の時間があったり、理美容師が訪問して整髪を行う訪問理美容の時間があったりします。また、家族が面会に来たり、家族と外出したりする日もあるでしょう。

それ以外にも、季節のイベントや外出など、老人ホームでの生活を充実させる催しが盛んな施設もあります。
たとえば、空調管理が行き届いた施設では寒さや暑さを感じにくくなるので、入居者に季節の移り変わりを意識してもらうためにも花見や夏祭り、クリスマス会など季節感のあるイベントを開催する施設も少なくありません。

さらに老人ホームによっては、ボランティアで歌を教える人やお茶をたてる人が来るなど、施設職員以外の協力を得てクラブ活動を実施している施設もあります。
老人ホームに入居する前に好きだったことや、これから挑戦してみたい活動に参加してみるのもよいでしょう。

自立の人の場合は、このように老人ホームに入居後も散歩や買い物など充実した時間を楽しむことが可能ですが、一方で介護度の高い人は介助の時間が1日の大半を占める可能性が高いです。
そのため、介護度によっても施設の過ごし方は違ってくるでしょう。

老人ホームは自分のペースで過ごすことも可能

それぞれの老人ホームによって、細かな1日のスケジュールは異なります。
食事や入浴の時間の変更は難しいでしょうが、レクリエーションや体操などは基本的に自由参加です。そのため、自宅での生活と同じとはいかないにしても、ある程度の自由はあると考えていてよいでしょう。

施設によって1日の流れやサービス内容は異なるので、詳細に関しては各施設に確認するようにしてください。

著者:オアシス介護

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