特別養護老人ホーム(特養)とは?
特徴・メリット・費用から探す

特別養護老人ホームとは

よく“特養(とくよう)”と略して呼ばれる特別養護老人ホーム。
“特別”とついていますが、何が特別なのでしょうか?また、「有料老人ホーム」や「グループホーム」と何が違うのでしょうか?

特養は“特別な養護”を必要とする高齢者のための福祉施設

「軽費老人ホーム」と同じく、老人福祉法で定められた公的な社会福祉施設。「介護老人福祉施設」とも呼ばれます。運営主体は、社会福祉法人や地方自治体です。民間が運営する有料老人ホームとは、まずその点で異なっています。

“特別な養護”を必要とする対象者とは、法律で以下の通り定義されています。
「65歳以上で、身体上または精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な者」

進行した認知症や寝たきりなど、自分一人では食事や排せつなどの日常生活が困難な高齢者ということになるでしょう。

入居は原則要介護3以上

特養は、公的施設として国や自治体からの運営資金援助があります。また施設サービス利用料が、介護保険の1割~2割の本人負担で済むため、民間運営の有料老人ホームよりも低料金で利用できるメリットがあります。さらに、諸事情で自宅介護が難しい要介護度の重い高齢者の完全介護を託すことができるため、多くの入居希望者がいます。

特に、人口の多い大都市に入居待ちが多く、施設によっては何年も待たなければ入居できないところもありましたが、2015年4月からは、特養に入所できるのは、原則として「要介護度3以上」になりました(例外規定あり)。また、省令で「施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入居申込者を優先的に入居させるように努めなければならない」と規定されています。“申込みが早い者順”ではないことに注意が必要です。

3タイプに分かれる

特養には、「従来型多床室(大部屋)」「ユニット型個室」のほか、定員29名以下で当該地区の住民であることが条件となる「地域密着型」があります。タイプによって利用料金が変わりますので注意してください。

特別養護老人ホームの入居の条件

原則的に「65歳以上の、要介護度3以上の高齢者」という基本条件があります。ただし、要介護1および2や、65歳未満の高齢者でも、下記のような状態で特養以外での生活が困難な場合は特例的に入居できます。

<要介護1・2で、特養入所が認められる例>

  • 認知症や知的障害、精神障害で、日常生活に支障を来すような症状などが頻繁に見られること
  • 深刻な虐待が疑われることなどにより、心身の安全・安心の確保が困難な状態であること
  • 単身世帯などで、家族などの支援が期待できず、地域での介護サービスなどの供給が不十分であること

また、入院を要するような病気や、ほかの入所者に伝染させる恐れのある病気に罹っていないことも条件です。

なお、いずれの場合もすぐに入居できるとは限りません。審査により入居の必要性の高い人から、入居が認められます。

特別養護老人ホームの特徴~介護・医療・サービス

施設常駐の介護スタッフから、食事、入浴、排せつなどの日常生活の介護のほか、健康管理、機能訓練、療養上の世話などのサービスが受けられます。
また、レクリエーションや機能訓練などに力を入れている施設も少なくありません。

特別養護老人ホームは医療機関ではありませんので、高度な医療を施設で受けることはできません。ですが、嘱託医師(配置医師)として、日中に医師が常駐している場合もあります。また、常駐していない場合でも、かかりつけ医として、定期的に往診したり、入居者の緊急時に対応するなどの体制がとられています。
看護師は、日中は常勤しているケースがほとんどですが、夜間の対応は施設により異なります。

医師や看護師の配置は施設によって異なり、胃ろうや在宅酸素、たんの吸引などの医療サービスの対応もさまざま。このため、医療サービスが必要な状態になれば、退去しなければならなくなる場合もあるので要注意です。
また、共同生活となるため、認知症の症状が重くなり、施設が対応できなくなった場合、退去が必要になる場合があります。

特別養護老人ホームの特徴~居室・個室

「従来型多床室(大部屋)」の場合、1居室あたり原則4人以下の相部屋になります。1人あたりの床面積は10.65㎡以上であるという基準があります。
最近は全室個室のユニット型施設も増えていますが、利用料は割高。従来型の方が、手頃な価格で入居できます。食堂や浴室は基本的に施設全体のものを全員で利用する形になります。

「ユニット型」は、入居者が10人程度の“ユニット”単位で生活するというスタイル。それぞれの部屋は準個室の場合10.65㎡、通常の個室の場合13.2㎡です。
施設としては、ユニットごとに専用の食堂やリビング、浴室を設け、その周辺に居室を配する構造が取られます。これにより、全体では100名ほどの大規模な特養でも、入居者やスタッフが“顔見知り”になってより家族的な生活ができるというメリットがいわれています。

その半面、より多くの人とコミュニケーションできる従来型多床室(大部屋)のほうが、刺激的で認知症予防などにつながる、などの意見もあります。入居を希望する人の考え方で選ぶべきでしょう。

特別養護老人ホームの入居のメリット

入居一時金が不要で利用料も安いこと、重い介護度の高齢者が主対象で、その対応に習熟していることが最大のメリットといえるでしょう。

<家族にとって>

  • 比較的、低料金で入居できる
  • 自宅では介護できない要介護度の重い親でも、全面的に託すことができる
  • 基本的に途中で退去する必要性が低く“終の棲家”として長期的に託すことができる
  • 入居者が多く、またレクリエーション等も行われるので、生活の楽しみも与えられる

<高齢者にとって>

  • 身の回りの世話をすべて施設のスタッフにやってもらえるので、家族に負担をかけずに済む
  • 入居費用が安いので、家族に負担をかけずに済む
  • 入居者が多いので、気が合った人とコミュニケーションが楽しめる
  • ユニット型の場合は気心が知れた人に囲まれるので気が楽

特別養護老人ホームの利用の料金

「有料老人ホーム」などと大きく異なる点は、初期費用が不要であることです。しかも、月額費用も比較的低額です。

●初期費用:不要
●月額費用の目安

  • 従来型多床室(大部屋):8~10万円
  • ユニット型個室:12~13万円

※いずれも、施設サービス費(介護保険料1割負担の場合で計算)、居住費、食費の合計

なお、特養の施設サービス費は、訪問介護などのように、サービスを利用した時間や内容で金額が決まるのではありません。
介護施設サービス費は、同タイプの施設であれば、要介護度により一律です。ただし、食費や居住費(家賃・滞在費)は、全額自己負担となり、施設により異なります。

比較的安いとはいえ、ユニット型特養の場合は、豪華な設備・食事で有料老人ホーム並みの料金、という場合もあります。必ず確認が必要です。

なお、所得が低い人は、自治体に申請すれば「負担限度額認定証」を交付してもらい、料金を軽減してもらうこともできます。

特別養護老人ホームの入居・退去・契約について

特養では、健康管理は行いますが、医療ケアなどは行いません。医療が必要な状態になれば、病院に入院することになります。またもしも入院期間が3カ月以上に及ぶと、退去しなければならなくなる場合があります。事前によく確認してください。

他に、特養で退去が必要になるケースとしてあるのは、認知症などの症状で、他の入居者やスタッフへ暴力をふるってしまうケース。また、自傷行為などがあるが、施設としてはつきっきりで見ていることはできないので対応できない、というケースです。

退去を要請された場合、「もともと家族が介護ができないから特養に入居したのに…」と困ってしまうケースがほとんどでしょう。特に、認知症の症状による強制的な退去要請の場合は、行き先が決まっていません。家族が介護をするか、別の介護付き有料老人ホームを探すなど、すぐに対応が必要になります。

突然のことに慌てないためにも、また、認知症の本人の心の安定のためにも、日頃から定期的にホームを訪問したり、ホームと密に情報を共有していく必要があります。

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