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特別養護老人ホーム(特養)の費用
介護保険が適用される入所施設のひとつが、特別養護老人ホームです。特別養護老人ホームは介護老人福祉施設とも呼ばれていますが、これは老人福祉法なのか介護保険法なのかによる違いで、介護保険法では介護老人福祉施設といいます。また、よく特養と略されるので、こちらのほうが聞きなれていることも多いかもしれません。

特別養護老人ホームに入所できるのは、原則として要介護3以上の認定を受けており、在宅で生活をすることが困難となった高齢者です。特養はそのような在宅生活が困難な高齢者にとって、介護士や看護師による24時間日常生活上の介護を受けながら、安心して生活を送ることのできる場所です。

しかし、実際に特別養護老人ホームではどの程度の費用がかかるのでしょうか。介護サービス加算、費用が軽減できる制度なども含めて見ていきましょう。

特別養護老人ホームの費用の特徴

特別養護老人ホームは公的な介護施設であるため、有料老人ホームなど民間の施設に比べると少ない費用で入居できるのが特徴です。そのため申し込む人も多く、なかなか入居できないことも多くなっています。
特別養護老人ホーム入居中に支払いが考えられる費用としては、介護サービス費や居住費、食費、日常生活費、医療費などがあります。この中には、介護保険や軽減制度で費用負担を減らすことができる項目もあるため、こまかく確認していきましょう。

なお、特別養護老人ホームは入居一時金がかからないため、月々の費用を支払うことのみで利用が可能です。

介護サービス費

特別養護老人ホームの介護サービス費には、日常生活上の排泄や入浴などの介護、バイタル測定などの健康管理、リハビリテーション等が含まれます。
介護サービス費は入居する方の要介護度によって異なり、要介護度が高くなるほど高めの金額に設定されています。これは、重度の要介護者のほうが、介護や看護にかかる時間が多くなってしまうためです。また、居室のタイプによっても料金が変わり、従来型などに比べてユニット型のほうが高くなります。

ですが、特別養護老人ホームは介護保険が適用となる施設のため、実際に支払う介護サービス費は、所得に応じた自己負担額のみです。仮に1日にかかる本来の料金が7000円であっても、自己負担が1割であれば700円ですむというわけです。

居住タイプによって異なる介護サービス費

特別養護老人ホームにはいくつかの居室種類があります。その種類によって費用が異なり、特養の居室には、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室、従来型個室、多床室の4種類があります。

種類ごとに簡単に説明すると、ユニット型個室は1ユニットで最大9人の入居者が生活します。少人数であることから、他の入居者やスタッフと顔見知りになり、安心して過ごすことができるだけでなく、個室が設けられているのでプライバシーを守ることも可能です。
ユニット型個室的多床室は、最大9人を1ユニットとするのは変わりませんが、個室ではなく、広めの部屋に仕切りをつけ、1部屋を何人かの入居者が利用することになります。天井や壁の間に隙間がある場合もあるため、完全な個室ではありません。
従来型個室は昔からある居室タイプで、ユニット型ではない個室です。多床室は1部屋で最大4人が生活を送ります。

●従来型個室・多床室の介護サービス費(1割負担の場合)

従来型個室・多床室の介護サービス費

●ユニット型個室・ユニット型個室的多床室の介護サービス費(1割負担の場合)

ユニット型個室・ユニット型個室的多床室の介護サービス費

*1単位10円(地域により異なる)、1カ月30日の場合


要介護3であれば、1カ月あたりのユニット型にかかる介護サービス費23,280円に対し、従来型が20,850円。従来型よりもユニット型のほうが月当たり2,430円高い計算です。2割負担であれば倍の料金となります。
特別養護老人ホームの費用を少しでもおさえたいのであれば従来型を選択したほうがいいかもしれませんが、ユニット型には当然それなりの良さもあるため、総合的な判断が必要になります。

居住費や食費などの生活費

生活費には、居住費や食費などがあり、居住費は主に入居者が使用する居室の使用料や水道光熱費にあたります。
また、特別養護老人ホームでは1日3食の食事が提供されるため、食事に対する費用も必要です。食費にはおやつ代が含まれることもありますが、おやつ代や行事などで食べる普段より豪華な食事などには別途費用が発生することもあります。

ただし、居住費や食費に関しては、低所得の利用者のための負担軽減制度があります。この制度を利用すると居住費と食費の軽減が可能です。詳しくは、下の「居住費と食費を軽減する(特定入所者介護サービス費)」の項目を確認してください。

医療費や雑費、その他サービス費

医療費は、入居中に通院や入院をした場合や、服薬の必要があった際の薬代などとなります。これらの費用は介護保険の対象にはならないため、自宅で生活していたときと同じように費用が発生します。
医療費は、病院にかかっていなければ必要のない費用ですが、高齢になると病気は身近な存在になるものです。ある程度医療費がかかることも事前に想定しておくとよいでしょう。

介護保険外のサービスとしては、理美容に関するサービスや金銭の管理、レクリエーションやイベントなどがあり、これらには必要に応じて費用がかかります。
しかし、特別養護老人ホームでは、おむつ代は費用に含まれているため、別途請求されることはありません。実際に支払うと、おむつ代は意外に負担が大きくなるものです。おむつを必要とする入居者であれば、大きな差が出る項目でしょう。
また、生活する上では日用雑貨などにかかる費用も必要になります。例えば、歯ブラシや歯磨き粉、ティッシュなどの消耗品、新聞などの読み物、衣服や外食代などです。

これらは、あらかじめ予算に組み入れておきましょう。

介護サービス加算

介護サービス加算とは、施設が基本となる介護サービス以上のサービスを行なった場合に必要とされるものです。手厚い介護やサポートを提供したり、介護サービス向上のための取り組みを行なう施設に対して、その項目に該当する単位が加算されます。

特別養護老人ホームの場合、職員の人数などは法律で定められています。
例えば、介護職員や看護職員の人員基準は、入居者3人につき1人以上と決められています。最低でもこの基準をクリアしていれば問題なく運営できますが、入居者3人につき職員2人であれば、より手厚い介護を行なうことができます。
また、一般的に特別養護老人ホームは「終の棲家」といわれることがありますが、実際には看取りを行なっていない特養もあるのです。看取りを行うためには、そのための加算が必要になるということです。

もちろん手厚いサービスを受けて、可能な限り快適に、要望通りに暮らせる施設は誰もが望むところでしょう。ただし、その要望を叶えるためには、やはりそのための費用がかかってしまいます。
ちなみに、1単位は10円程度で計算(地域により異なる)され、入居者はその自己負担分の金額を支払う必要があります。

特別養護老人ホームでのサービス加算の種類

それでは、特別養護老人ホームに関係のあるサービス加算についていくつか見ていきましょう。サービス加算は、それぞれの基準を満たしている場合に発生します。

手厚い介護・看護・医療サービスのための加算

【準ユニットケア加算】
個室に近い居室を設置し、入居者のプライバシーに配慮します。日中、夜間共に基準を満たす介護スタッフ・看護師数を配置して、入居者12人を標準としたユニットケアを行ないます。(5単位/日)

【サービス提供体制強化加算】
職員数を増やし、サービスの質を上げるための加算です。この加算を算定するには、介護スタッフのうち、半数以上を介護福祉士にするか(12単位/日)、勤続年数が3年を超えるスタッフを30%以上配置するか(6単位/日)、看護・介護職員のうち常勤職員を75%以上配置する(6単位/日)必要があります。

【看護体制加算】
看護体制加算には、看護体制加算Ⅰと看護体制加算Ⅱがあります。
看護体制加算Ⅰでは、1人以上の看護師を常勤で配置することが必要です。その特養の定員数が31人から50人の場合(6単位/日)と、定員数30人、51人以上の場合(4単位/日)で単位が異なります。
看護体制加算Ⅱでは、看護職員による24時間の連絡体制を確保しておく必要があります。また、入所者25人に対して看護職員1人以上であり、特養の人員基準を1人以上超えていることも必要です。その特養の定員数が31人から50人の場合(13単位/日)と、定員数30人、51人以上の場合(8単位/日)で単位が異なります。

【日常生活継続支援加算】
入所者6名に対して1名以上の介護福祉士を配置し、次の3つのうちどれかの条件を満たしている必要があります。
入所者のうち、要介護4・5の利用者が70%以上、認知症日常生活自立度がⅢ以上の利用者が65%以上、たんの吸引等が必要な利用者が15%以上。(23単位/日)

【常勤医師配置加算】
1名以上の医師を配置し、その医師は常勤・専従である必要があります。(25単位/日)

【配置医師緊急時対応加算】
入居者の緊急時に対応できるように、施設と医師が情報共有をし、対応可能な時間や曜日などの具体的な取り決めをしている必要があります。複数の配置医師を置くなどして24時間いつでも対応することも求められます。(早朝・夜間650単位/回 深夜1,300単位/回)

【個別機能訓練加算】
入居者ごとに個別の機能訓練計画を作成し、計画的なリハビリテーションを行ないます。理学療法士などの機能訓練指導員を1名以上配置し、その機能訓練指導員は常勤・専従である必要があります。(12単位/日)

【生活機能向上連携加算】
外部のリハビリテーション専門家と連携して、入居者の自立支援や重度化を防ぎます。(200単位/月 個別機能訓練加算を算定している場合100単位/月)

認知症・障がい者に関する加算

【精神科医療養指導加算】
入居者のうち、3分の1を認知症がある人であった場合に、精神科医師による月2回以上の療養指導を行なうと加算されます。(5単位/日)

【認知症行動・心理症状緊急対応加算】
認知症の症状により在宅での生活が難しいと判断され、施設側が急な入居を受け入れた際に加算されます。(200単位/日 7日間が上限)

【若年性認知症入所者受入加算】
若年性認知症を持つ人を受け入れた際に加算されます。(120単位/日)

【認知症専門ケア加算】
認知症専門ケア加算には、認知症専門ケア加算Ⅰと認知症専門ケア加算Ⅱがあります。
認知症専門ケア加算Ⅰは、入居者の半数以上が認知症自立度Ⅲ以上であることが必要です。なおかつ、認知症自立度Ⅲ以上の入居者が20人未満なら認知症介護実践リーダー研修修了者を1人、20人以上なら10人ごとに1人以上を配置します。(3単位/日)
認知症専門ケア加算Ⅱは、介護スタッフや看護職員ごとの研修計画を作成・実施し、さらに認知症専門ケア加算Ⅰの要件を満たしたうえで、1人以上の認知症介護指導者研修修了者が必要になります。(4単位/日)

栄養・経口での加算

【栄養マネジメント加算】
高齢者が入居する際に施設側が栄養状態を確認し、その入居者に適した計画書を医師などが数名の職種と共に作成します。その計画は、評価や見直しが定期的に行なわれ、都度計画を更新していきます。また、1名以上の常勤の管理栄養士を配置することも必要となります。(14単位/日)

【低栄養リスク改善加算】
低栄養のリスクがある入居者に対して、計画を作成します。この計画は多職種が共同して作成する必要があり、入居者の趣向や栄養状態にも配慮します。(300単位/月)

【経口移行加算】
経管によって、胃などに必要な栄養を送っている入居者に対して計画を作成し、管理栄養士などが栄養管理を行います。また、この計画は医師の指示が必要であり、歯科医師や看護師といった複数の職種が共同して作成します。(28単位/日)

【経口維持加算】
経口維持加算には、経口維持加算Ⅰと経口維持加算Ⅱがあります。誤嚥が認められる入居者ごとに計画を作成し、経口摂取を維持するための管理を行ないます。この計画書は、医師や歯科医師、管理栄養士、介護支援専門員(ケアマネジャー)などといった複数の職種が共同で作成します。
経口維持加算Ⅰ(28単位/日)は、上記に加えて著しい摂食機能障害があり、検査により誤嚥が認められた場合を指します。経口維持加算Ⅱ(5単位/日)は、経口維持加算Ⅰ以外の条件を満たしたうえで、誤嚥が認められる場合となります。

【口腔機能維持管理体制加算】
特養の介護職員に対して、口腔ケアに関する月1回以上の指導を歯科衛生士が行ないます。指導する歯科衛生士は、歯科医師の指示を受けている必要があります。(30単位/月)

【口腔機能維持管理加算】
入居者に対して、歯科衛生士が月4回以上の口腔ケアを行ないます。歯科衛生士は、歯科医師の指示を受けていることが必要です。(110単位/月)

退去に伴う加算

【退所前訪問相談援助加算】
入居者が特別養護老人ホームを退去して自宅に戻る場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)や医師、生活相談員などが事前に入居者の自宅訪問をします。戻った際に問題なく介護サービスなどを使えるように援助します。(460単位 1回のみ)

【退所後訪問相談援助加算】
特別養護老人ホームを退去して自宅などに戻った場合、30日以内に居宅を訪問して相談援助を行ないます。(460単位 1回のみ)

【退所時相談援助加算】
特別養護老人ホームを退去した本人や家族に対して、介護サービス利用などの相談援助を行ないます。そのうえで、退去後2週間以内に市町村などに文書で情報の提供を行ないます。(400単位 1回のみ)

【退所前連携加算】
入居者が特別養護老人ホームを退去する場合、居宅介護支援事業者に文書で情報を事前に提供します。(500単位 1回のみ)

【在宅復帰支援機能加算】
入居者の在宅復帰を支援する加算です。入居者の退去後、30日以内に居宅を訪問したり居宅介護支援事業者から情報提供を受けたうえで、1カ月以上の在宅生活が継続できると思われる場合に算定されます。そのためには、家族との連絡や居宅介護支援事業者との調整を行い、なおかつ、決められた期間に特別養護老人ホームを退去して在宅復帰した入居者が20%を超えている必要があります。(10単位/日)

その他の加算

【初期加算】
施設に入所したばかりの高齢者は、そこでの生活に慣れるまでに時間がかかります。しばらくはさまざまな支援を要するため、入所から30日間に限って算定が可能です。(30単位/日)

【排せつ支援加算】
排せつ障害などがある入居者に対して、他職種が連携して計画を作成・実行します。(100単位/月)

【褥瘡マネジメント加算】
入居者の褥瘡を防ぎます。関連する職種が連携して個々に褥瘡ケア計画を立て、少なくとも3カ月に1度見直す必要があります。(10単位/月 3月に1回を限度)

【看取り介護加算】
回復の見込みがないと医師が判断した入居者に対して、看取りの準備を行ないます。看護職員との24時間の連絡体制確保や、常勤看護師1名以上の配置、看取りに関する研修をするなどして看取りの態勢を整え、本人や家族の同意を得たうえで計画書を作成します。その期間は、本人や家族に確認しながら計画にそって介護をしていきます。
単位は亡くなった日にあわせて変わり、亡くなる前の4~30日(144単位/日)、亡くなる2日3日前(680単位/日)、亡くなった当日(1,280単位/日)です。
より医療体制を整備している場合には看取り介護加算Ⅱが算定されます。(4~30日144単位/日 2日3日前780単位/日 死亡日1,580単位/日)

介護サービス加算の単位の考え方

介護保険では、介護保険サービスを利用すると単位数として計算されます。
例えば、10単位と20単位のサービスを1カ月間利用した場合、合計は900単位です。地域によって異なりますが、1単位10円で計算すると9,000円となり、実際に9,000円分の介護サービスを利用したことになります。
ここから実際に利用者が支払うのは、収入に応じた負担額のみとなります。1割負担であれば900円、2割負担であれば1,800円、3割負担であれば2,700円です。

地域によって金額が変わる理由は、地域の人件費割合に応じた報酬単価の調整をしているためです。単価に応じて地域区分が設定され、その地域は1~7級地とその他の8区分にわけることができます。その地域区分に応じて、それぞれ1単位何円なのかが変わります。

介護に関わるスタッフの人件費は、地方に比べて東京23区のような大都市のほうが高く設定されているため、一律の金額では介護サービス事業所などの経営が苦しくなってしまいます。地域による差が出にくくするように、このような仕組みになっているのです。

特別養護老人ホームの場合、地域によっては、1単位あたり1円程度の違いがあるため、例を挙げてその差を確認してみます。1単価あたりがもっとも低い「その他」が10円であるのに対し、もっとも高い「1級地」が10.9円です。
例えば、要介護5の入居者がユニット型の特別養護老人ホームに入居した場合には、1日あたり910単位、1カ月で27,300単位となります。

(1カ月の場合)
その他 27,300単位×10円=273,000円(1割負担の場合の支払額 27,300円
1級地 27,300単位×10.9円=297,570円(1割負担の場合の支払額 29,757円

27,300円と29,757円の差から、同じサービスでも「1級地」は「その他」よりも2,457円高いことになります。
ですが、そもそもの収入や人件費には地域による差があるため、その差を埋めるための金額が2,457円ということになるのでしょう。

特別養護老人ホームの費用を軽減できる制度

介護保険サービスを利用したときに発生する費用としては、収入に応じた自己負担額のみを支払うことになります。実際に支払う金額はかなりおさえられるとははいえ、長期的な介護費用を考えると金銭的に不安を感じる人も多いことでしょう。

また、介護保険サービスは支払い額が軽減できるものの、居住費や食費、持病があれば医療費なども発生するため、毎月それなりの金額を払い続けることは容易ではありません。所得が低い入居者であればなおさらでしょう。
特別養護老人ホームは公的な施設のため、費用負担が難しい入居者のための制度があります。また、他にもさまざまな費用を軽減できる制度があるので、ぜひ活用しましょう。

居住費と食費を軽減する(特定入所者介護サービス費)

利用者負担段階と負担限度額

特別養護老人ホームにかかる費用のなかで大きな割合を占める居住費や食費ですが、これを軽減できる制度があります。収入に応じて軽減される割合が変わり、一定以上の収入のある入居者は本来の料金をそのまま支払う必要があります。
これは特定入所者介護サービス費と呼ばれるもので、介護老人保健施設なども含む介護保険施設の入居者のなかで、生活保護受給者や所得の少ない方は負担限度額を超えた居住費と食費を支払う必要がないというものです。

まず、負担軽減ができるかどうかの基準として、以下のような収入などに応じた区分けがされているので、入居する本人に当てはまるかを確認してみましょう。

●利用者負担段階
第1段階 生活保護受給者、または世帯全員の市町村民税が非課税である老齢福祉年金受給者
第2段階 本人と世帯全員が市町村民税非課税であり、合計所得が80万円以下(公的年金収入額と合計所得金額)
第3段階 本人と世帯全員が市町村民税非課税であり、合計所得が80万円以上
第4段階 同じ世帯の全員が住民税課税(上記すべてに該当しない)

※第1~第3段階は、預貯金が単身1,000万円、夫婦2,000万円以下であること

第4段階の方は軽減制度が適応されませんが、第1~第3段階の方であれば負担限度額が設けられているため、定められた以上の金額を請求されることはありません。

まず、食費に関しての負担限度額が以下になります。

●食費の負担限度額(1日あたり)
第1段階 300円
第2段階 390円
第3段階 650円
第4段階 負担限度額なし(水準は1380円)

1カ月の食費を計算すると、第1段階では9,000円、第2段階では11,700円、第3段階では19,500円となり、食費としては最低でも1万円程度の料金がかかります。
第4段階であれば1カ月41,400円程度となりますが、こだわりの食事を提供しているなどあれば水準より高めになりますので、詳しくは施設に問い合わせてみましょう。

特別養護老人ホームの居室は4つの種類にわかれています。居住費は居室のタイプごとに異なり、段階ごとで見ると以下のようになります。

●第1段階における居住費の負担限度額(1日あたり)
多床室 0円
従来型個室 320円
ユニット型個室的多床室 490円
ユニット型個室 820円

●第2段階における居住費の負担限度額(1日あたり)
多床室 370円
従来型個室 420円
ユニット型個室的多床室 490円
ユニット型個室 820円

●第3段階における居住費の負担限度額(1日あたり)
多床室 370円
従来型個室 820円
ユニット型個室的多床室 1,310円
ユニット型個室 1,310円

●第4段階における居住費の負担限度額(1日あたり)※基準費用額
※負担限度額なし
多床室 840円
従来型個室 1,150円
ユニット型個室的多床室 1,640円
ユニット型個室 1,970円

生活保護を受給している方(第1段階)が多床室に入居した場合には、食費300円と居住費0円で、1日あたりの食費と居住費は合計300円、1カ月9,000円ですみます。
仮に、本来は1日あたりの食費が1,380円、多個室への入居で840円だった場合で考えると1日2,220円となり、1カ月では66,600円です。
この例での第1段階と第4段階では大きな差があり、生活が苦しい高齢者であっても特別養護老人ホームであれば、入所しやすいことがわかります。

特定入所者介護サービス費の申請方法

居住費と食費を軽減できる、この特定入所者介護サービス費用を利用するには、負担限度額認定を受ける必要があるため、市区町村に申請をしましょう。

必要書類は、介護保険負担限度額認定申請書、本人と配偶者名義のすべての通帳の写しなどです。預貯金にあたるものとしては、銀行などへの通常の預貯金をはじめ、株式や国債などの有価証券や投資信託、タンス預金に至るまで申告する必要があります。
本人が窓口まで行けない場合には、同意書も一緒に提出します。

特別養護老人ホームの入居を検討している場合には、担当のケアマネジャーや市区町村の社会福祉課、地域包括支援センターなどに相談をしてみるとよいでしょう。

介護費用を軽減する(高額介護サービス費)

高額介護サービス費とは、介護保険サービスを利用して支払った自己負担額の合計が一定金額を超えた場合、超えたぶんの負担額が戻ってくる制度となります。少しでも費用をおさえたい入居者や家族にとっては、とても助かる制度です。

自己負担の上限金額は、所得などの条件によって区分けされています。

●対象者の基準
(1) 生活保護受給者、または世帯全員の市町村民税が非課税である老齢福祉年金受給者
(2) 本人と世帯全員が市町村民税非課税であり、合計所得が80万円以下(公的年金収入額と合計所得金額)
(3) 本人と世帯全員が市町村民税非課税であり、合計所得が80万円以上
(4) 同じ世帯の誰かが住民税課税
(5) 現役並みの所得者

上記のどこに当てはまるかがわかったら、以下で負担上限額を確認しましょう。

●負担上限
(1) 15,000円(個人)
(2) 15,000円(個人) 24,600円(世帯)
(3) 24,600円(世帯)
(4)(5) 44,400円(世帯)

※「個人」は介護サービスを利用した本人に対した上限額で、「世帯」はその世帯で介護サービスを利用した全員の合計

特別養護老人ホームの入居者が高額介護サービス費を申請する場合、食費や居住費、生活費、福祉用具の購入費などはこの対象にはならないので、注意が必要です。
高額介護サービス費の支給を受けるためには、市区町村に高額介護サービス費支給申請書を提出します。一度申請すれば、その後は自動的に手続きが行なわれるため、再度申請する必要はありません。

医療費と介護費をあわせて軽減する(高額医療合算介護サービス費)

高額介護サービス費は医療と合算して申請することも可能です。高額医療合算介護サービス費とは、医療保険と介護保険の両方に自己負担が発生した場合、所得や年齢に応じて合算後の負担額が軽減される制度です。
特別養護老人ホームでは必ず介護保険サービスを利用することになりますし、高齢者の多くは何かしらの病気を抱えていることも多くなります。特に病気の症状や要介護度によっては医療費や介護サービス費がかさんでしまうため、負担軽減できる制度があると安心です。

しかも個人単位ではなく、世帯でまとめて合算することが可能です。毎年8月から1年間にかかった、その世帯の医療保険と介護保険の自己負担額の合計額が基準を超えた場合に申請できますが、注意点としては、世帯で同一の医療保険に加入している必要があります。
自己負担の上限額は以下です。

【負担上限額(世帯単位)】
●70歳以上
年収約1,160万円~ 212万円
年収770万~1,160万円 141万円
年収370万~770万円 67万円
年収156万~370万円(一般) 56万円
市町村民税世帯非課税 31万円
市町村民税世帯非課税(年金収入80万円以下等) 19万円

●70歳未満の方がいる世帯
901万円~ 212万円
600万円~901万円 141万円
210万円~600万円 67万円
210万円以下 60万円
住民税非課税世帯 34万円

例えば、夫が介護サービスを受けて妻が医療を受けている、Aさん夫妻がいるとします。夫婦は共に75歳で、収入は一般程度と仮定します。
夫は特別養護老人ホームに入所中で、1年間にかかった介護費用は30万円、妻は病気による入退院と治療により、1年間に医療費40万円の自己負担が発生しました。 この場合、Aさん夫妻の介護保険と医療保険の自己負担額は合計70万円です。

夫(介護保険30万円) + 妻(医療保険40万円) = 夫婦合計70万円

Aさん夫妻の所得を「一般」とした場合、1年間の負担限度額は56万円となります。そのため、差額は14万円です。

夫婦合計70万円 - 負担限度額56万円 = 14万円(支給額)

市区町村に申請することで、この差額の14万円が戻ってくることになります。

なお、支給を受けるためには決められた限度額を500円以上超えてることが必要であり、入院時の生活療養費、入院時食事療養費の自己負担額などに関しては対象外となります。
対象期間は毎年8月から7月末です。支給を受けるためには、7月31日現在に加入している医療保険へ申請を行いますが、対象者には医療保険者から通知が送付されます。

医療費を軽減する(医療費控除)

医療費控除とは、かかった医療費の一部を税金(所得税)から控除することです。
1年間の医療費の合計が10万円を超える場合などに、医療費控除により負担額の一部が控除されます。
かかった医療費は、1月1日から12月31日までの本人や生計を共にしている家族の合算で計算し、確定申告をする必要があります。

特別養護老人ホーム入居中にかかった医療費と同一世帯の方の医療費をまとめることができるので、毎年どのくらいの医療費がかかっているかは必ず確認しましょう。
医療費控除は、病院、歯科の治療費や薬代はもちろん、治療などを目的とした市販の医薬品や、通院・入院のための一部交通費も対象となります。これらを合算すると、意外に費用がかかっている場合もあります。

また、介護保険施設では、施設サービスの対価として支払った金額に対しても対象となるものがあります。特別養護老人ホームと介護老人保健施設の場合では異なり、以下のようになります。

特別養護老人ホーム 介護サービス費や居住費、食費などの施設サービスに対して支払った額の2分の1に相当する金額
介護老人保健施設 介護サービス費や居住費、食費などの施設サービスに対して支払った額

介護老人保健施設の場合は、上記の全額が医療費控除の対象になりますが、特別養護老人ホームでは2分の1のみとなります。
また、日常生活費や特別なサービスを受けた際の料金は対象になりません。

医療費控除額の計算方法は、以下の通りです。

(医療費控除の対象になる医療費-保険からの保険金等) - 10万円(もしくは総所得金額の5% どちらか少ないほう) = 医療費控除額

例えば、医療費控除の対象となる治療費などが20万円かかり、保険会社からの保険金が13万円出た場合、差額は7万円です。そこから10万円を引くと医療費控除額はマイナスとなるため、還付金はありません。
しかし、保険会社からの保険金がない場合、医療費20万円から10万円を引くと差額は10万円です。

実際に戻ってくる還付金の計算式は以下の通りです。

医療費控除額 × 所得税率 = 還付金

所得税率が仮に20%だった場合、還付金は以下のようになります。

医療費控除額10万円 × 所得税率20% = 還付金2万円

医療費控除は過去5年間に遡って申告することができるため、もしも申告忘れなどがあれば、翌年にまとめて確定申告するとよいでしょう。
また、申告後に医療費の領収書を求められることもあるため、5年間はしっかりと保管しておくことも必要です。

まとめ

特別養護老人ホームは公的な施設であるため、低所得者であっても入居を検討することができます。そのために待機者が出るほど人気ですが、地域によっては空きがありますし、希望者が全員入居できるように整備も進められています。少しずつ入居しやすくなっていくことでしょう。
また、介護サービス費や医療費に関しては、費用を軽減できる制度もあります。知識があるかないかで大きな差が出ますので、しっかり理解しておくことが重要です。

特別養護老人ホームにかかる費用は、年金や所得などから事前に計算し、無理のない計画を立てることも大切といえるえしょう。

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